無敵までの過程
先日の日本シリーズで、セリーグ王者巨人を2年連続で4タテし、4年連続の日本一に輝いた福岡ソフトバンクホークス。
直近10年で実に7回日本一になっており、まさに無敵の若鷹軍団。
黄金時代を築いているんです。
そこでひとつの疑問が生じました。
なぜソフトバンクはこれほどまでに強くなったのか?
というわけで今回の動画はソフトバンクが最強になるまでにやったことを紹介したいと思います。
施策
今でこそ最強と言われるソフトバンク。
しかし、今から10年ほど前。2000年代後半は世代交代の時期も重なり、一回も優勝がなく、08年には最下位になるなど今ほどの強さはありませんでした。
ただ、この時代から今の黄金時代の礎となる様々な施策を施していたんです。
それがこちら
①育成、データー活用
②スカウティング
③外国人補強
④FA補強
⑤イズム
①育成、データー活用
2011年に3軍を設立。3軍は主に育成選手を中心に構成されるため2010年代から育成選手の指名が大幅に増加しています。
2009年は1人も育成選手を指名しませんでしたが、2010年は翌年からの3軍設立のため6人を指名しており、以降は毎年4人から8人指名しています。
2020年現在、保有選手の数はパリーグ最多の89人(支配下68人、育成21人)。
首脳陣が選手1人1人のために作成したプログラムでのトレーニング。また、独立リーグ、社会人チーム、大学生との対外試合を多く行い実戦経験を養うことで、2軍と3軍の間でも入れ替わりが激しく、熾烈な競争が生まれ、チーム全体のレベルが上がります。
なので1軍のレギュラーが怪我をしてもファームには続々とレベルの高い選手が控えているので、チーム力が落ちません。
先日ダルビッシュ投手がソフトバンクについて
「とにかくフィジカル差は感じます。試合見たら感じると思いますが、フィジカルが一定のレベルを超えると技術では抑えきれなくなります。」
とコメントしており、これも熾烈な競争意識によって栄養、休養、トレーニングをサボらずにフィジカルを磨いていかないとと生きていけない環境があるからではないかなと感じています。
このチーム内の熾烈な競争を勝ち抜いた育成出身の主な選手に千賀、甲斐、牧原、石川、モイネロ、周東がいます。
2016年には総工費60億円をかけ2、3軍のメイン球場、サブ球場、屋内練習場、クラブハウス、選手寮を完備したHAWKSベースボールパーク筑後が完成しました。
この施設はとにかくすごく、屋内練習場の打撃マシーンは、ボールを打った5秒後に横のモニターで自分の打ってる姿が再生され、その場でバッティングフォームをチェックできます。
また親会社がIT企業ということもあり、ソフトバンクに所属する全選手にiPhone、iPadが無償で支給され、ソフトバンクの選手しか見れない専用のアプリで、屋内練習場に設置してある約30もの無人カメラで撮影された自身の練習する姿、スタッフが撮影した試合での映像、11球団の全選手の試合の映像をいつでもチェックすることができます。
ホークスの主力選手も対戦相手の研究材料として活用しており、工藤監督や王会長もアプリで日々ファームにいる選手の状態をチェックしているみたいですよ。
②スカウティング
2005年以降ドラフトで指名した選手のなかで、1軍の戦力になった選手がこちら
もしかしたら抜けてる選手がいるかもしれません。
ドラフト指名選手
05 松田(亜細亜大)藤岡(JR九州)本多(三菱重工名古屋)甲藤(近畿大)柳瀬(龍谷大)
06 福田秀平(多摩大付属聖ヶ丘高)大隣(近畿大)高谷(白鵬大)森福(シダックス)長谷川(専修大)
07 岩嵜翔(船橋高)中村晃(帝京高)
08 摂津(JR東日本東北)
09 今宮(明豊高)
10 柳田(広島経大)
11 武田(宮崎日本大高)嘉弥真(JX-ENEOS)
12 東浜(亜細亜大)
13 加治屋(JR九州)森(三菱自動車倉敷オーシャンズ)、上林(仙台育英高)
14 栗原(春江工業高)
15 高橋純(岐阜商業)
17 高橋礼(専修大)
18 甲斐野(東洋大)
育成
06 山田大樹(つくば秀英高)
08 二保旭(九州国際大付属高)
10 千賀(蒲郡高)牧原(城北高)甲斐(楊志館高)
12 飯田(東京農大北海道オホーツク)
13 石川(創価大)
17 周東(東京農大北海道オホーツク)大竹(早稲田大)
高校、大学出身者は全国的に優秀な選手を、社会人は九州出身者が多い印象です。
育成選手の指名は決して野球の名門ではない公立高や大学の選手も散見され、独自のスカウト網を築いています。
ホークスのスカウティングは90年代事実上のGMだった根本陸男の「ひとつでも飛びぬけた能力とセンスに注目して獲る」といったイズムが根付いていて
例えばエース千賀滉大。
スポーツショップの店主が「いい選手がいる」と3球団に電話で連絡するも、当時の千賀はガリガリで球速はMAX135キロ。
他の二球団が指名を見送る中、ソフトバンクは育成での指名を即決。
指名を決めた理由は「股関節の柔らかさと投球フォーム」にあったらしいです。
その後千賀は3軍から這い上がり、常勝ホークスのエースにまで上り詰めました。
③FA補強
05年以降、ホークスがFAで獲得した選手がこちら
06年 小久保裕紀(巨人)
10年 細川亨(西武)内川聖一(横浜)
11年 帆足和幸(西武)
12年 寺原隼人(オリックス)
13年 中田賢一(中日)鶴岡慎也(日本ハム)
10年代前半は多くの選手を獲得していますが、14年以降は加入選手はいません。(18年浅村、西など参戦はしてる)
05年オフに城島が抜け、それ以降正捕手が固定できず、10年細川、13年には鶴岡を獲得。
また、日本一を達成した11年オフには先発ローテの一角杉内、19勝のホールトンが巨人に移籍し、先発の頭数が足りず3年連続で先発投手を獲得しています。
そしてなんといっても横浜から内川聖一を獲得したことが大きく、初年度から首位打者、MVPを受賞し、ホークスを8年ぶりの日本一に導きました。その後も長年常勝ホークスの主力としてチームを支え、内川はFAで最も成功した選手の1人といわれています。
④外国人
05年以降に獲得した外国人54人のうち、11人は他球団から移籍してきた選手が多いです。
ガトームソン(ヤクルト)
スタンリッジ(阪神)
パウエル(巨人)
オーティズ(元ロッテ)
ペタジーニ(元巨人)
カブレラ(元オリックス)
サファテ(西武)
ウルフ(日本ハム)
李大浩(オリックス)
デスパイネ(ロッテ)
バレンティン(ヤクルト)
李大浩やデスパイネなど他球団で活躍し計算できる助っ人を招き入れ、数年チームの中軸を任せます。
元々活躍してる助っ人を獲得するには、日本での実績があるため年俸が上がりやすく、豊富な資金力を要するソフトバンクだからこそできることかもしれませんね。
⑤イズム
ソフトバンクが強くあり続ける理由の1つに長年受け継がれるイズムがあるからではないかと感じています。
90年代パリーグのお荷物とさえいわれた時代から99年の日本一を経験した小久保裕紀、松中信彦→03年日本一メンバー和田毅など時代を担った主力が若手に練習方法やメンタルの整え方などのアドバイスを送り、そのイズムを引き継いだ若手が主力となり、さらに次の世代に引き継がれることで好循環が生まれているんじゃないかと思います。
まとめ
というわけで今回はソフトバンクが最強になるまでにやったことを5つ紹介させてもらいました。
ソフトバンクがいち早く取り組んできたことは他球団にも大きな影響を与え、広がりを見せています。
これからもホークスにプロ野球を引っ張ってもらいましょう。
これからもこのような動画をあげていきますので是非高評価、チャンネル登録よろしくお願いします。ありがとうございました。